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大開口から自然を取り込む明るく温かみある木のリビング
ご主人の祖父母の代に建てた家に、夫婦と2人の娘さんで暮らしていたOさん。その家は土間のある昔ながらのつくりで、台所や居間は北側にありました。「リフォームをしながらなんとかやってきましたが、家全体が暗くて寒かった。子どもが大きくなったこともあり、思い切って建て替えることにしたんです」。毎年寒さに耐えながら冬を越してきた家族にとって、明るさと暖かさが新居の絶対条件でした。
南側にレイアウトしたLDKには、うづくりで温かみのある無垢の杉板が敷かれ、天井の一部にも杉板をデザイン的に配しました。「吹き抜けにも興味がありましたが、冬の暖気の流れを考えると天井は低く設定した方が良いとアドバイスされて見送ることに。それが正解で、霜が降りるほど気温が下がる地域なのに、家の中では暖かく過ごせました」。夏の住空間で重要視される風通しも計算されており、南面の引き込み窓を全開にすると、下がり壁を省き大きく取った開口部からさわやかな風がめぐります。「昨年の夏はエアコンをほとんど使わなかったですね」。十分な広さのあるウッドデッキもリビングの一部に。ここで七輪パーティーを開くなど、家族で楽しむ時間が広がっているようです。
風の流れを計算しながら窓を配置。風通しを良くすると夏を涼しく過ごすことができ、季節の変化を身近に感じられます。廊下をなくして水回りを集中させるなど動線設計にも配慮しました。7帖分の小屋裏収納など建物全体の約20%を収納に充てたので、居室にモノがあふれることなく、広さを実感していただけます。