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新開発のログ材で造る 組み立て式シェルター住宅
瓦屋根に深い軒、広い縁側に格子状の大きな雨戸。爽やかな木の香りが漂う室内には窓からの心地よい風が通り抜けていきます。一見すると伝統的な日本家屋のようなS邸。でも実は、鹿児島大学(鷹野 敦准教授研究室)とK社とで研究が進められている木質構法システム(ライフサイクルハウスシステム)を取り入れ、鹿児島で初めて造られた住宅なのです。
「実家を作ってくれたのも新山さんでした。新しい工法の家を建ててくれる施主を探していると聞いて、お願いすることにしたんです」と、奥様の実家の隣りに建てられた平屋建て。その新しい工法というのが、木造軸組工法と角ログ材を組み合わせた「J‐ログ工法」です。床や屋根・階段まで接合金物や釘を極力使わず、木材をほぞ穴などで組み立てることで優れた耐震性を発揮する建物を造ることができるといいます。設計の際には、鹿児島大学の学生さんたちが敷地の風の通り方から庭の木々の種類まで丹念に調べ、この土地に最適な家のカタチを提案してくれたそう。最先端の工法に熟練の棟梁の技が加わり、新しいのに懐かしい癒しの住まいになりました。
J‐ログ工法の家は木材を組み立てるだけで家を建てることができますが、質の良い木の家を造るためには、やはり森や木を熟知した腕のいい職人が必要です。大工として50年の経験から、施工にあたっては「自分が住む家ならどうするか」を考えてお客様に提案するように心掛けています。 お客様と信頼関係を築きながら日本の建築文化を継承していきたいですね。